蓬左文庫本続日本紀(ほうさぶんこぼんしょくにほんぎ)
蓬左文庫についてはwikipedia名古屋市蓬左文庫を参照して下さい。
webサイト文化財ナビ愛知にある蓬左文庫本続日本紀についての文章です。
『現存しているものとしては最古の写本といわれている。
金沢文庫本全40巻のうち、巻十一〜巻四十は鎌倉時代書写の寄合書で、巻一〜巻十は散逸していたものを、
慶長19年(1614)、別の写本で補写し10巻を加えたものである。
金沢文庫から伊豆山般若院に移り、同寺から徳川家康に献じられ、
その後、尾張徳川家に納められた駿河御譲本である。』
※金沢文庫(かなざわぶんこ・かねさわぶんこ)
※駿河御譲本(するがごじょうぼん)
立命館大学の蔵書「蓬左文庫本続日本紀」(八木書店)は、赤いカバーです。私はこれしか見たことないです。
本来はケース付きの貴重書なのに、いさぎよくケースを捨ててボンと置いてあるところがなんとも立命図書館らしい・・・ (^_^;)
昔は左翼が強かった大学なので、こういうことになるんでしょうね。
蓬左文庫本続日本紀(八木書店)は影印本で、読み仮名はありません。 →八木書店「蓬左文庫本続日本紀」 →wikipedia影印本(えいいんぼん)
養老五年「記多真玉」にも読み仮名はありませんが、全体によくわからない漢字だらけです。
読みに力を注ぐのではなく、誤字変字であっても古来より伝わるままに筆写することに重点があったようです。
「続日本紀」の誤字変字が、鎌倉時代(金沢文庫等)の筆写によるものか、
平安時代に「続日本紀」が編纂(へんさん)された原文からのものなのかは、わかりません。
クリックで大きい画像
八木書店影印本「蓬左文庫本続日本紀」最終巻の巻末に、「解題校勘記」(吉岡眞之・石上英一)があり、
「解題」のほうに、続日本紀写本について詳しい解説があります。
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ご覧のように、解題校勘記でひとつと勘違いしていたので、ややこしいことにしてしまっています。 (^_^;)
図書館でコピー取るまで、表紙(画像koukanki001のP1に相当)を見たことがなくて、画像編集した後に気付きました・・・
写本解説があるのは「解題」です。詳細はコピー用紙画像を読んで下さい。いい文章ですよ。
私が二番煎じしても仕方ないので、ざっくり大味に話を進めます。
「付ー1 続日本紀写本系統図」にありますように、続日本紀の写本は2系統に分類されます。
「金沢文庫本」と「卜部家相伝本」の2系統です。 →wikipedia金沢文庫 →wikipedia卜部氏 →wikipedia吉田兼右(吉田兼満養子)
「解題」P4下段に、大永五年に吉田兼満が自邸に火をつけて逐電した際に、吉田家相伝の「日本書紀」消失、
推定ながら、吉田家相伝「続日本紀」も消失したとあります。 →wikipedia大永(だいえい)
養子の吉田兼右によって、三条西本を元に書写復元したものが、現在に繋がる吉田家相伝「続日本紀」となります。
「金沢文庫本」は、17世紀に徳川家康が入手します。
家康が入手した「金沢文庫本」は巻1〜巻10が失われたもので、巻11〜巻40でした。
家康は、欠陥10巻を吉田家相伝「続日本紀」で補って、「角倉本」を作製させました。これが、「蓬左文庫本続日本紀」です。
私が気になっているのは、狩谷棭斎が「蓬左文庫本続日本紀」を知っていたのか?
さらに、欠陥10巻が吉田家相伝「続日本紀」で補填(ほてん)されたことも知っていたのか?この二点です。
→Sファイル狩谷棭斎(かりやえきさい)
「続日本紀狩谷棭斎校本」を見れば、何かわかると思うのですが、この「狩谷棭斎校本」が見つかりません。 (^_^;)
戦火で失われたのか、戦後の混乱期に焼却されたのか・・・ずいぶん探しているのですが、いまだに発見できません。
私の勘です、何の根拠もありませんが、
狩谷棭斎は、おそらく、「蓬左文庫本続日本紀」を見たことがないし、欠陥10巻補填の事情も知らなかったのではないでしょうか。
※推察する手立てと書いてましたが、削除します。やはり、「続日本紀狩谷棭斎校本」を見ないことには何とも言えないです。
(クリックすると何故が上下逆さまになります。ちゃんと見たい方は画像を保存して見るか、こちらをご覧下さい→Sファイル養老五年正月甲戌)
巻八養老五年「記多真玉」は、吉田家相伝「続日本紀」(三条西本由来)で、
巻十六天平十七年「□□真玉」は、徳川家康が入手した金沢文庫ということになります。
どちらも筆写したのが、角倉素庵です。 →wikipedia角倉素庵(すみのくらそあん) →スピンオフ大和川と浅香住吉大社
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私がコメントすることが無いほどの立派な文章です。 (^_^;)